児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです。ネタバレあり要注意。

錬金術

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ニュージーランドの作家マーガレット・マーヒーさんの2002年に出版された作品。

この方の本を色々と読んでいるとわかるが、初期の作品「足音がやってくる」の現代版リメイクのようだ。

良い年のお婆ちゃんが書いたとは思えないほどティーンの恋愛をリアルに描き、性描写まであるとは驚きだった。

同級生の秘密と奇術師クワンドゥとの緊張感溢れるやりとり。なかなか面白かったのは事実だが、これまでの作品を知っているととてつもなく違和感もある。

さすがだなと思ったのは、魔法ではなく錬金術としたところ。魔法だと現代の描写において、浮きすぎて真実味がないからきっと錬金術としたのだろう。

相変わらず癖のない文章で、ニュージーランドの自然や広々とした街並みが目に浮かぶような作品だった。

嫌味なく、このレベル感で書ける作家はなかなかいない。ただわがままを言わせてもらうともう一つ想像を超えてほしい。やり過ぎてもいいといつも思ってしまう。