児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです。ネタバレあり要注意。

七つの封印 2 悪魔のコウノトリ

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個人的に大好きなカイ・マイヤーさんの児童向けの作品。ただし、相変わらずダーク。日本の児童向けのファンタジー小説とはレベルが違う。日本の児童向けの作品は、怖いと言ってもドラえもん映画程度で、大人からすると全く怖くない。むしろイラつかされるのが普通だ。だって子供向けだから。

だが、この七つの封印は全く違う。それはあのカイ・マイヤーが描いているからに他ならない。子供はむしろ読まないほうが良いだろう。なぜなら非常に怖いから。今回このダークファンタジーに登場するのは、地獄から召喚された悪魔のコウノトリ。面白いのが、主人公の住む屋敷の中から一歩も外に出ないで物語が全て展開して終わる。悪魔のコウノトリからずっと屋敷内を逃げ、その原因を考えて破壊する。それだけの内容なのに、コウノトリが強いうえに不気味すぎる。対峙すればくちばしで一突きにされて殺されること間違いないという状況のなかで、ひたすら逃げるしかないというホラー映画さながらの展開。

まさに悪夢のよう。相当テンポが良いので1時間半くらいでサクッと読める。

ちなみに感想を書いてなかったが、もちろん、七つの封印一巻の大魔術師の帰還もすでに読んでいる。

その時から、敵が子供相手だろうと容赦なく殺しにかかってくることに驚き、度肝を抜かれた。大体その辺の捕まったらどうされるのかという部分は曖昧にするのがセオリーだ。鬼ごっこみたいに、捕まるのはなんか怖いけど、捕まったからといって何もないみたいな。そこが、このカイ・マイヤーさんの七つの封印は違う。捕まったら殺される。それが明確に表現されて描かれるからこちらとしてもヒヤヒヤする。

大人が読んでも、背筋がヒヤッとする良作だ。

ロックウッド除霊探偵局に通じる面白さがある。感想をブログとして書いていないが、このロックウッド除霊探偵局は最高に面白い。読んできた児童文学のなかで1番面白いと言ってもいいくらい個人的に気に入っている。

今のところその感想を書く予定はないが、気になる方は読んでほしい。絶対に後悔させないことを約束する。