児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです。ネタバレあり要注意。

ガンプ 魔法の島への扉

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イギリスに住むエヴァ・イボットソンの1994年に本国で出版された作品。

ネバーランドのような幸せな島からロンドンに出たときにつれさられた島の王子を探す物語。舞台は現代のロンドン。空想の世界と現代が繋がった不思議な冒険奇譚である。

とても読みやすく、設定もユニークで単純に楽しめた。ゲゲゲの鬼太郎的な雰囲気に慣れた日本人ならすんなりこの設定にハマるはずだ。

特にこの中に出てくる不思議な生き物キリフキは印象的だ。丸くてふわふわでポメラニアンをさらに丸くしたような姿を想像し、誰もがきっと癒されるはずだ。

読み始めると、すぐにつれさられた王子が誰だかわかるのも一興。我々も知らないふりして温かく読み進めるが、最後にこの人が実は王子でした!ってなるが最初から知ってたよという。

普通ならわかった時点で、冷めてしまう気もするがちゃんとその上で最後まで読ませる暖かさみたいなものがある。難しくないので少し疲れたときや、軽くリフレッシュしてみたいときに読むといいかもしれない。