児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです。ネタバレあり要注意。

魔女と暮らせば

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とても面白かった。今まで読んだダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品の中で1番面白く感じたかもしれない。

なぜか随所から「ハウルの動く城」の感じが醸されていたが、それもまた悪くない。

姉のグウェンドリンと弟のキャットの姉弟が両親が亡くなったことから親戚の大魔法使いに引き取られ、かなり良いテンポで物語が展開する。

ネタバレになるが、まさか姉のグウェンドリンがあんなにも悪いやつだったとは意外だった。いや、悪いというか身勝手で自己中心的というべきか。さすがに自分のためであり、そそのかされたとはいえ弟を殺してしまうことに賛成するというのはあり得ないのではないだろうか。

また魔力を弟からこっそり貰っていたなら、弟が死ねば魔法が使えなくなっただろうし。

大魔法使いに引き取られるまでの前半、大魔法使いの城に行ってからの反抗、姉が別次元の世界のもう1人の別の自分と入れ替わってからの中盤、大魔法使いの秘密に関して敵とごちゃつく後半。ずっと飽きず、ハラハラされられた。

この作品は1978年にガーディアン賞を受賞しているが、2018年に読んでいても全く魅力が色あせていない。こういう作品に巡り会えるのも出会いであり、読書の楽しみだなと改めて感じさせられた。