七つの封印 4 黒い月の魔女
カイ・マイヤーさんによる七つの封印シリーズ第4弾。相変わらずの読みやすさだか、絶体絶命からのドンデン返しにはそろそろ飽きてきた。
やはり魔女や魔物と戦うのに、ただの特殊能力のない子どもでは知恵にも限界がある。敵は子どもだろうと殺そうと本気で向かってきているのに、逃げ回るだけでは面白みにもかける。
漫画ワンピースのごとく、敵が近づいて腕の印が反応した際くらいは、敵を倒す能力が発動してもいい気がする。そのほうが、ずっとワクワクするだろう。
もちろん、名探偵コナンのごとく、力はなくとも知恵で解決してもいいが、毎回思いついたプランが失敗することなく上手くいくだけでは芸がなさすぎる。
舞台であるドイツでは月のクレーターの模様がウサギではなく、薪を背負った男に見えるとされているそうで、その薪男と主人公たちは今回戦うことになる。
アイデアや発想、展開は見事だ。このシリーズは児童向けのため、文字数がかなり少ない。相当テンポよく飛ばしていかないと書きたいことが良いバランスで尺に収まり切らなくなる。
毎回、物語の導入には驚かされる。自然な流れで無理なく読者に設定を受け入れさせる。そのままノンストップでラストまで駆け抜けるのであっという間に読み終わる。
ただ、先ほども言った通り、そのパターンに頼りすぎだ。軽さをどこまで払拭し、深められるのか。今後に期待だ。