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児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです

アルテミス・ファウル 北極の事件簿

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ネタバレあります。

まず最初に、こちらは1巻かと思って間違えて借りてしまった。読みながらなんか知らない言葉がどんどんでてくるなと思っていたらまさか2巻だったとは。表紙にナンバリングがあるのかないのか分かりづらく、最後の広告欄で1巻だと確認したはずだったのに失態。

もちろん、1巻を読んでなくても状況は理解できるし、むしろもう1巻でどんな出来事が起こったかさえも知ってしまった。

そして、そろそろこの本の感想を結論から言おう。合わなかった。むしろあまり好きじゃないかも。

思ったよりも子供向きだと感じた。読むまでのイメージは割と大人向きで、中身も難しい言葉が多いにも関わらず、キャラクターの言動がいちいち鼻につくほど大げさで、どんどん嫌いになってしまった。

特にルート司令官の言動はありえない。サウスパークを見てるのかと思うほど、いちいち大げさでわざとらしい。

しかも見なければ良かったと後悔したのが、裏表紙をめくった最後のページに堂々とプリントされた著者のポートレート。たまたま読んでいる途中で目に入った瞬間、ミスタービーンみたい!って思ってしまい、それからもう内容のつまらなさと相まってどんどん腹が立ってしまった。

人を楽します、驚かすのが好きそうな好奇心に満ちた作者オーエン・コルファーさんのどう?面白いだろ?って目が、私の中のハードルを上げ続けてしまった。

答えは面白くないだ。もちろん大人が読むにはという意味で。子供なら楽しめるだろう。このブログのタイトル通り、子供向けだろうが大人が読んでも楽しめて、学ぶことを見つけるのが目的である。

主人公のアルテミスは中学生?ながら天才犯罪者であり、バトラーという屈強で従順な執事を率いている。この2人の関係性やキャラクターは当初とても魅力的に感じたが、思ったほどではなかった。まず、アルテミスが全然天才じゃない。もっとコナンくんばりに頭脳明晰かと思っていたら普通に少しだけ大人びた中学生だった。全く活躍しない。最高のヒントももたらさない。設定が嘘になってしまった。前回はすごく頭脳を使って活躍したようだが、今回は出番がなかったようで残念だった。

正直、読んでいるうちに、勝手にアルテミスとバトラーを黒執事のセバスチャンとシエルとして脳内変換して動かしていた。まあだから思い通りにならず、これほどまでに失望させられたのかもしれないが。

特に不満なのが、最初、アルテミスの父親が難破して誘拐されてしまい、身代金を要求するロシアマフィアとどう戦うかって話だったから面白そうと思ったのに、実際はその部分は最後にちょちょっとしか描かれない。しかも、あっさり解決して、父親と息子の愛情なんかも皆無だった。父親をアルテミスは何が何でも助けたいという当初の設定が崩れていた。大部分は地下世界の反乱が描かれて、さほどハラハラもせず、裏切りによりドンデン返しにこだわった作者の意図が見え見えで興ざめしてしまった。

イギリスの作品はジョナサン・ストラウドさんを通して出来がいいと思い込んでいたのも災いしたのかも。ただ、一つ、この評価が私だけの厳しいものでないことをお伝えもしたい。

すでに本国イギリスでは8巻+外伝3冊が出版社されている。しかし、日本では5巻までしか訳されておらず、すでに時間の経過から見て今後発売されることもないだろう。これが何を意味するか当然わかると思う。面白くなくて、翻訳しても売れないから出版社も意気揚々と権利を買って日本で発売してきたが途中で放棄したのだ。

まあ他の巻を読んでないから詳しくは説明も確認のしようもないが、遠からず日本の読者にこれ以上求められてないということは事実だろう。