児童文学概論

ヤングアダルトジャンルを読み、感想を示します。個人の駄メモです。ネタバレあり要注意。

錬金術

ニュージーランドの作家マーガレット・マーヒーさんの2002年に出版された作品。この方の本を色々と読んでいるとわかるが、初期の作品「足音がやってくる」の現代版リメイクのようだ。良い年のお婆ちゃんが書いたとは思えないほどティーンの恋愛をリアルに描…

魔法があるなら

デパートに住んでみたい。小さい頃にそんな想像をしてみたことがあると思う。しかも、閉店後まで店内に隠れて、誰にも気付かれずにそのまま自分だけが店内に残るなんて想像しただけでとってもワクワクすることだ。しかし、よく考えると、セコムのような警備…

見習い物語 上

イギリスの作家レオン・ガーフィールドさんの短編集。1982年に書かれたものだが、作品自体18世紀のイギリスを舞台に描かれているので、さらに古い感じがする。むしろ本当に18世紀に書かれた本を読んでいるような錯覚に陥るほど、当時の生活ぶりや街並み、風…

スピニー通りの秘密の絵

アメリカの女性作家ローラ・マークス・フィッツジェラルドさんの作品。「卵の下を探せ」という祖父の死に際の言葉から始まる物語。とても読みやすく、どんどん明かされて行く謎と近く真実。冒険をするようにとてもワクワクして読めた。ダビンチコードに近い…

顔をなくした少年

「穴」で知られるアメリカのルイス・サッカーさんの作品。正直、胸をえぐられるような、嫌な記憶が蘇るような作品である。子供から大人に成長する過程で、誰もが通るジレンマというか、もがきがとてもリアルに描かれている。日本人でも共感できる人は多いの…

骨董通りの幽霊省

イギリスの作家アレックス・シアラーさんの作品。ここまで幽霊にぴったり焦点を当てて書かれた作品は、同じくイギリスの作家ジョナサン・ストラウド氏の「ロックウッド除霊探偵局」以来だ。イギリスでは日本のように幽霊が身近な存在であり、テーマモチーフ…

魔女と暮らせば

とても面白かった。今まで読んだダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品の中で1番面白く感じたかもしれない。なぜか随所から「ハウルの動く城」の感じが醸されていたが、それもまた悪くない。姉のグウェンドリンと弟のキャットの姉弟が両親が亡くなったこと…

七つの封印 4 黒い月の魔女

カイ・マイヤーさんによる七つの封印シリーズ第4弾。相変わらずの読みやすさだか、絶体絶命からのドンデン返しにはそろそろ飽きてきた。やはり魔女や魔物と戦うのに、ただの特殊能力のない子どもでは知恵にも限界がある。敵は子どもだろうと殺そうと本気で向…

歩く

「穴」(1998年)で一躍有名になったルイス・サッカーさんの作品で、穴シリーズの3作目であるこの「歩く」(2007年)。「穴」は出た当時すぐに読み、あまりの面白さに衝撃を受けた作品だ。ただ、その後、映画化もされたが、それも見ず、最近まで思い出すこともな…

魔空の森 ヘックスウッド

ざっくり言うと、ある森の周辺で起きた異変から物語が始まり、次々と意外な事実が明らかになってくるという話。世界を救うわけではないが、悪いやつをやっつけて新しいまともなやつに取って代わるという感じ。正直、かなり読みにくかった。物語の進行スピー…

牢の中の貴婦人

設定を把握しようとしているうちに最後まで来て、やっと状況を飲み込めたと思ったらあっさり終わった。絶妙な配分である。まったくロマンチックさがなく、どこまでも現実的だ。気付いたら幽閉されていて、記憶が曖昧で周りの状況すらわからない。そもそも知…

ダークホルムの闇の君

まず読み終わった感想を言わせて欲しい。なんて読み難い本なんだ。内容や設定などは他に見たことないほど斬新で、さすがダイアナ・ウィン・ジョーンズさんといった感じなのだが、日本語訳があり得ない角度で酷い。きっとあえて日本でもあまり日常で使われて…

メッセンジャー 緑の森の使者

どこか人里離れた森の先にある、迫害された人たちが集まってできた村を舞台にして物語が展開される。何とも言えない不思議な魅力のある作品だ。牧歌的でありながら、偽善的ですぐに崩壊しそうな危うさを含む。どこか新興宗教の人たちの集団生活を見ているよ…

嵐の王 3 伝説の都

長い冒険を終えた気分だ。ようやく長い悪夢から目覚めた気さえする。三部作のラストは前作である天空の少年ニコロに近い。世界を救う、変えて、みんなまたそれぞれの道に進み出すというキレイな終わり方。そこまでには数々の修羅場や生命を賭けたシーンの連…

七つの封印 3 廃墟のガーゴイル

テレビゲームにしたら面白そうなストーリーだった。七つの封印シリーズの三作目。毎回、実は登場人物のキャラクターや個性を持ってストーリーを引っ張るということはあまりなく、敵を中心にブンブンとストーリーが激しく展開される。だから基本的には防戦か…

不思議な尻尾

表紙から完全に女児向けだなと思いながらも設定に惹かれて読んでみた。その設定とは、その犬がシッポを振ると願いが叶うという割と単純なものだ。だからこそ、このベタな設定をマーガレット・マーヒーがどう料理して、何を伝えようとするのか気になった。読…

七つの封印 2 悪魔のコウノトリ

個人的に大好きなカイ・マイヤーさんの児童向けの作品。ただし、相変わらずダーク。日本の児童向けのファンタジー小説とはレベルが違う。日本の児童向けの作品は、怖いと言ってもドラえもん映画程度で、大人からすると全く怖くない。むしろイラつかされるの…

嵐の王 2 第三の願い

ドイツのファンタジー作家カイ・マイヤーの三部作のニ冊目。タイトル通り、魔人イフリートが持つ三つの願いを叶える力。そのナゼか失ってしまった三つ目の願いを叶える力がカギとなって描かれる。振り返ってみると相変わらず面白かった。強烈な性描写や残酷…

嵐の王 1 魔人の地

ドイツのファンタジー作家カイ・マイヤーの三部作の一冊目。毎回翻訳のレベルがとんでもなく高く、こちらもかなり引き込まれる内容だった。中身の感想を言うと、まず面白かった。世界観としては進撃の巨人に似ている。魔法の暴走によって生まれた魔人によっ…

仮面の街

なぜか千と千尋の神隠しを彷彿とさせる作品。魔女のグラバは湯婆婆そっくりだし、ロウニーは千のようだ。仮面というものを物語のフックにしながらテンポ良く物語は進み、表現は難解で読み辛いけどサクサクと読み進んでしまう。なかなか良作だと思う。本作の…

足音がやってくる

ニュージーランド出身の作者マーガレット・マーヒーの1982年に発売された初長編にして、イギリスのカーネギー賞を受賞した作品。かなり昔の作品ということになるが、さすがといったところ。隙がなく、子供がメインの作品だが、イライラさせられることもなく…

マディガンのファンタジア 下 未来への綱わたり

作者マーガレット・マーヒーの本国であるニュージーランドではテレビドラマ化もされたという当作品。まず読み終えた感想としては、なかなか面白かった。オズの魔法使いに少し似た作品でもあった。ただ主人公の女の子であるガーランドの言動が理解不能で、ず…

アンランダン 下 ディーバとさかさま銃の大逆襲

不思議な裏ロンドンでの少女の活躍を描いた作品の下巻。まずは率直になかなか面白かった。とても面白かったわけではなく、なかなか面白かった。外人特有のユーモアというかスカした感じが気持ち悪い部分もあったが、想像力の面で言うとかなり素晴らしいとも…

マディガンのファンタジア 未来からのねがい 上

5年前の2012年に76歳で亡くなられたマーガレット・マーヒーさんの作品。世界崩壊後の世界を舞台に、サーカス団であるマディガンのファンタジアが旅し、目的を叶える様子を描いている。ワクワクする設定であり、おばあちゃんである作者が書くだけあって、まっ…

アンランダン ザナと傘飛び男の大冒険 上

タイトルのアンランダンは、否定を表すアンにロンドンの正しい発音ランダンを合わせ、ロンドンではない、つまりもう一つのロンドンという意味を持っている。感想から言うと、なかなか面白かった。どこか不思議の国のアリスを読んでいるような個性的なキャラ…

天空の少年ニコロ 3 龍とダイヤモンド

ネタバレします。天空の少年ニコロ三部作のラストを飾る締めの巻。読み終わった感想としては長かった。天空の村から始まり、中国を旅しながら龍を探し、ラストは世界を救うというどこかで見たような展開に。そう、これはカイ・マイヤーさんの前作である「海…

アルテミス・ファウル 北極の事件簿

ネタバレあります。まず最初に、こちらは1巻かと思って間違えて借りてしまった。読みながらなんか知らない言葉がどんどんでてくるなと思っていたらまさか2巻だったとは。表紙にナンバリングがあるのかないのか分かりづらく、最後の広告欄で1巻だと確認したは…

勇者の谷

バーティミアスシリーズでおなじみのジョナサン・ストラウドの2009年に日本で発売された作品。短いあとがきまで含めて587ページもある超大作。とにかく長い。物語に入り込むまでずいぶん時間がかかった分、読み終えるまでにかなりの時間を要した。結果的に面…

天空の少年ニコロ 2 呪われた月姫

2巻になって一気にスピードアップ。もはやドラゴンボールみたいになってる。ラストの龍の門なんかは頭の中でシェンロンが思い浮かんでたし。月姫がいることで逆に物語が狭まっているような気がする。物語に恋愛や愛がはいるとロクなことにならないから、今回…

盗まれたコカコーラ伝説

ヤングアダルトって言葉に相応しい一冊。いささか表現力は乏しい部分もあったけど、おやつ感覚で楽しめました。対象は中学生くらいかな。見た目では小学生向けだと思うでしょうが、意外と内容は難しとこもあるので、きちんと理解して読むとなると中学生から…